DMARC 構文
DMARC 構文は、メールドメインの DNS に追加される DMARC レコードの形式と構造です。DMARC レコードは v=DMARC1;
というプレフィックスで始まり、セミコロンで区切られた一連のタグと値が続く TXT レコードです。各タグは DMARC ポリシーの異なる側面を表し、各値はそのタグの設定やオプションを定義します。タグと値は大文字と小文字を区別しませんが、タグの順序は重要ではありません。
DMARC 構文の例
DNS に公開される DMARC レコードは次の形式に従います:
txt
v=DMARC1; p=none; sp=none; rua=mailto:[email protected]; pct=100
各タグの説明は以下の表に示されています:
p= タグ
意味 | 値 | 例 |
---|---|---|
必須。ドメインのポリシー。 | none: アクションなし、監視とレポートのみ。 quarantine: メッセージをスパムまたは迷惑メールフォルダに移動。 reject: メッセージを拒否し、配信しない。 | p=quarantine |
sp= タグ
意味 | 値 | 例 |
---|---|---|
任意。ドメインのサブドメインのポリシー。指定されていない場合、親ドメインと同じポリシーが適用されます。 | none: アクションなし、監視とレポートのみ。 quarantine: メッセージをスパムまたは迷惑メールフォルダに移動。 reject: メッセージを拒否し、配信しない。 | sp=quarantine |
pct= タグ
意味 | 値 | 例 |
---|---|---|
任意。ポリシーが適用されるメッセージの割合。指定されていない場合、デフォルトは100%。 | 0から100の数値。 | pct=50 |
rua= タグ
意味 | 値 | 例 |
---|---|---|
任意。集計レポートを送信するメールアドレス。複数のアドレスをカンマで区切って指定できます。 | mailto: URI のリスト。 | rua=mailto:[email protected],mailto:[email protected] |
ruf= タグ
意味 | 値 | 例 |
---|---|---|
任意。フォレンジックまたは失敗レポートを送信するメールアドレス。複数のアドレスをカンマで区切って指定できます。 | mailto: URI のリスト。 | ruf=mailto:[email protected] |
adkim= タグ
意味 | 値 | 例 |
---|---|---|
任意。DKIM のアライメントモード。指定されていない場合、デフォルトは r (relaxed)。 | r: リラックス。組織ドメインが一致する場合にアライメントと見なされます。 s: ストリクト。ドメインが完全に一致する場合にアライメントと見なされます。 | adkim=s |
aspf= タグ
意味 | 値 | 例 |
---|---|---|
任意。SPF のアライメントモード。指定されていない場合、デフォルトは r (relaxed)。 | r または s | aspf=r |
fo= タグ
意味 | 値 | 例 |
---|---|---|
任意。失敗レポートを生成する条件。指定されていない場合、デフォルトは 0 (すべて)。 | 0: すべての認証方法が失敗した場合にレポートを生成。 1: いずれかの認証方法が失敗した場合にレポートを生成。 d: DKIM が失敗した場合にレポートを生成。 s: SPF が失敗した場合にレポートを生成。 | fo=1 |
rf= タグ
意味 | 値 | 例 |
---|---|---|
任意。失敗レポートの形式。指定されていない場合、デフォルトは afrf (Authentication Failure Reporting Format)。 | afrf または iodef (Incident Object Description Exchange Format)。 | rf=iodef |
ri= タグ
意味 | 値 | 例 |
---|---|---|
任意。集計レポートを送信する間隔(秒単位)。指定されていない場合、デフォルトは 86400 (24時間)。 | 正の整数 | ri=43200 |
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